子どもを守る防災教育でつなぐ子育て支援の輪
事業のきっかけとなった“気づき”
東日本大震災が起きた2011年からその翌年にかけては全国的に防災意識の高まりが見られましたが、その後時間の経過とともに再び意識が低下して来ています。当団体では2006年以来、子どもから大人まで興味を持って取り組める防災・減災の啓発プログラムを実施してきましたが、今後の啓発活動のために新しい形のプログラムや教材を開発し、地域や教育現場等の防災訓練に活用しようと考えました。
また、この防災教育プログラムの開発は、多彩な人びとや団体の知見を結集し、よりよいものを生み出そうとしました。そうした開発の工程を通し、ぴっぴがこれまで先駆的に行ってきた「防災の領域と子育て支援の領域で活動する市民が意識を合わせ、連携する機会づくり」を推し進めようとしました。
こんなことを実施しました
子育て支援と防災の領域で活動する市民をつなげる
この事業には、ぴっぴのスタッフに加え、「子ども」「遊び」「防災」をキーワードに、学童保育指導員やおもちゃコーディネーター、災害ボランティア、防災士など、多彩な活動に携わる市民が運営委員として参画しました。学童期を中心に幅広い年齢の子どもにとってわかりやすく、興味を持って参加できるもの、より深く自分の頭で考えることができるものを目指して開発をすすめ、成果物として「減災トランプ」および解説副読本を制作しました。
子どもたちの気づきをプログラムに反映する
「減災トランプ」は、子どもが災害から自分で自分の身を守ることを学べるよう、全てのカードにわかりやすい絵と文章で表現した減災情報を盛り込みました。 今回独自に考案した防災教育のためのゲームで遊べるほか、一般のトランプゲームをして遊ぶこともできます。トランプの形式をふまえてマークごとに意味を持 たせた独自の構造により、ユーザーが遊びの中で防災について体系的に興味を持つよう導きます。災害の表現は正確さと親しみやすさを共存させ、ラッキーカー ドなど興味を持ちやすい仕組みを加えて防災教育とレクリエーションを融合させました。
開発経過において、試作教材・プログラムを多くの子どもたちに体験してもらう公開試行会を設け、子どもたちの声や気づきを教材に反映し、より「伝わる」ものを目指して形にしました。
これからに向けて
今後、講座やワークショップ、イベント等の場において、防災教育ツールとして活用していきます。
当該事業に携わった開発スタッフがファシリテーターとしてプログラムを伝えるほか、減災トランプの主旨に共感したユーザーが次なるユーザーを呼びこみ、防災教育の輪が広がることを助ける仕組みづくりも考案していきます。
※この事業は平成27年度「静岡県社会福祉協議会ふれあい基金 子育て支援実践交流会」および「ふじのくにNPO活動助成事業費補助金」助成事業です。
実施期間
平成27年7月~平成28年3月
事業形態
自主事業(平成27年度「静岡県社会福祉協議会ふれあい基金子育て支援実践交流会」および「ふじのくにNPO活動助成事業費補助金」助成事業)