事業のきっかけとなった“気づき”
南海トラフ大地震への危機感が高まりながらも、東日本大震災の発災はまだ先であった2008年。ぴっぴでは、それまでにも子どもの防災をテーマにした副読本の作成や、ワークショップを実施していました。震災時には要援護者となる子どもたちに、災害時・災害後の行動について具体的な考えや知識を伝えてゆくこと、そして子育てに関わる人々・地域の人々が防災の知識を得、災害時のためのネットワーク化をすすめる一助となることを願って実施してきたものでした。この年、それを一層発展させ、より多くの人々が防災意識を持てるよう、中区住民を対象に大規模なプロジェクトを行いました。
こんなことを実施しました
この事業では、NPO法人「プラス・アーツ」の協力を得て、子ども自身が楽しい遊びの中で防災感覚を身につけることができるプログラム「イザ!カエルキャラバン」を、ぴっぴ独自にアレンジした大型公開ワークショップ「ぴっぴのイザ!カエルキャラバン!」を実施しました。
実施にあたっては、地域の子育てサークル・災害ボランティアコーディネーター・地域の商工会・PTA・学生らに広く呼びかけてサポーターを募り、2回にわた るプレ・ワークショップ(事前研修会)を実施。サポーターは子どもたちに防災の知恵を伝えるためのノウハウを身につけた上で、当日訪れた大勢の子どもたちとしっかりとかかわりました。
同時に、防災に関する公開パネルトークを開催し、地域住民の防災ネットワークづくりに関する意識を啓発し、考察を深める場づくりをしました。
ワークショップについては、プレ・ワークショップの段階から非常に参加者の関心が高く、意欲的なボランティアスタッフから独創的なアイデアが多数出されまし た。開催当日は200人以上の子どもたちに加え、同伴の親など非常に多数の方がとても熱心に参加しました。NHKテレビ、中日新聞社など報道も多数あり、 防災への関心の高まりを強く感じました。
一方、パネルトークでは中区町らをパネリストに迎え、自主防災組織など、地域防災の中心となっている方々の参加を得て真剣な議論が交わされました。
公開ワークショップおよびパネルトークの開催場所としては、「地域共創」を掲げる浜松学院大学の協力を得、大学祭内での開催が可能となりました。
これからに向けて
行政・学校・企業など、地域の人々との連携のなかで興していくという、ぴっぴならではの防災ワークショップがひとつの確かな形となった事業でした。また、この事業を通して、子どもや親子に防災のことを伝えるワークショップの主旨や方法論をぴっぴなりに一層深めていくための契機となりました。
実施期間
2008年10月~11月
事業形態
浜松市中区 がんばる地域応援事業