事業のきっかけとなった“気づき”
東日本大震災が起き、社会全体でかつてないほど防災に関する関心が高まった2011年。それまで実施されてきた防災訓練や防災に対する備えの他に、想定外で原発や津波など多くの課題が表出し、子育て中の家庭や集団保育の場、学校教育現場で何を備え、未然に考慮しておくべきかなど見直しをしていかなければならない事態にありました。行政・地域・個人がそれぞれの立場でいかに子どもを守るかを考え、わかちあうことが急務でした。それには情報を共有し、ネットワークを形成する必要がありました。そのための情報を収集し、分かち合う場をこの事業で形成しようとしました。
こんなことを実施しました
震災に関わった団体や支援団体等に被災時の子ども、子育て家庭支援に必要な内容をヒアリングし、冊子を制作。冊子をもとに県内市町、団体などと勉強会やワークショップを実施し、被災時に相互支援のできるネットワークを築いていきました。
■会議:事業運営の進行を図るため、子育て団体および災害関連団体に依頼して運営委員会を設立。月1回程度浜松市子育て情報センターにて委員会を実施。
■ ヒアリング・情報収集:情報発信をするため(冊子・WEBサイト)に災害時の体験など各地域に出向きヒアリングを実施。被災地、被災者の避難先、及び災害 派遣された行政職員など16カ所にてヒアリング。災害時における課題(特に妊婦や子どものいる家庭が避難所や自宅でどんな課題を持ったか)を詳しくヒアリングしました。
子どもを守るために必要な災害時の知恵などの情報収集を実施しました。
■冊子制作:収集した情報を整理し、子育て家庭が災害に備えて役立てられる冊子「ぴっぴ家族の減災ブック」を5000部制作。
■勉強会・ワークショップ:冊子制作と並行し、市町、団体、企業等との連携を計り各地で実施。ヒアリングで出た課題点を取り込みながらの講話、講座内容としました。
「大震災 自閉っこ家族のサバイバル」
(2012年1月28日 浜松市地域情報センター)講師:宮城県仙台市被災者 高橋みかわ氏
「熱海防災講座 東日本大震災から学ぶ 備え・判断・行動」
(2012年2月7日 熱海市シール会館)協力:NPO法人atamista
「子どもを守る防災講座」
(2012年3月17日 焼津公民館)焼津市と協働
これからに向けて
完成した冊子をもとに、継続事業として、県内の市町や子育て団体との連携を広げ、地域での防災を考える勉強会やワークショップを実施していきます。
防災をそれぞれの立場で考えることにより、相互ができることの気づきを通して、行政、団体、企業、個人のネットワークを形成していきたいと考えます。
実施期間
2011年 6月1日~2012年3月30日
事業形態
静岡県民間子育て支援活動応援事業費補助金