事業のきっかけとなった“気づき”
中心市街地で巨大地震が発災したら、被災するのは地域住民のみならず、施設や商店を利用する通行者も同様であり、多くの人が一斉に助けを求めることになります。ですが、施設や 商店を経営している人々は、一般の人を助けたり、情報を提供したりする側になる可能性があることを自覚しているでしょうか?
まち全体として防災意識を持ち、互いに助け合えるような備えを行うことで、地域の防災力は向上します。
そこで、市街中心地をフィールドとし、通行人の中でも弱者となる子どもたちが自身の足で街を歩き、商店主たちとコミュニケーションすることによって、地域住民の防災意識を啓発するワークショプを企画しました。
こんなことを実施しました
プログラム内容を企画するに先立ち、商店主らへ個別ヒアリングを行いました。対話をする中で、個々の商店主も防災について考えを深め、地域のつながりについて気づきを得ていったようでした。
訓練当日、子どもたちはマップを手にし、学生ボランティアに導かれながらも「災害が起きたらどう行動したらいいか、誰にどう助けを求めたらいいか」と自分の頭で考え、ヒントを得るために商店主たちに話しかけました。
ヒントを集めて集合した最終ポイントでは、みんなで力を合わせて防災食を作って食べました。
街歩きをしながら子どもたちが作成した防災マップは、後日、子どもたちによる発見と商店主らからの意見や情報を反映したものを地域に配布しました。
これからに向けて
防災にも結びつく“地域コミュニティの活性化”はこの事業の目的のひとつであり、そのヒントとなる一石を投げかけることはできたかもしれません。現在もさまざまな団体が、コミュニティ活性化のための事業を行っています。本事業においては、受益対象者が小学生親子から地域住民にまで広がるため、他団体(一般社 団法人 地域ファシリテートネットワーク)との共催にて実施し、多彩なジャンルの方々(建築家、タウンマネジャー、行政、学生など)の多面的な発想を取り入れて実施することができました。
今後も防災に限らず、さまざまな事業を通して、他の領域で活動する団体と協働する機会を作っていきたいです。
実施期間
2012年6月~12月(イベント実施は12月1日)
事業形態
助成金事業(平成24年度「歳末たすけあい募金」)
一般社団法人地域ファシリテートネットワークと共催