親子防災キャンプ
事業のきっかけとなった“気づき”
南海トラフ地震が発生した場合は、甚大な被害が想定される浜松市。特に子育て世代の防災意識を高めたいと考えた浜松市は、親子で避難生活の体験ができる場を設けるため、当団体に防災キャンプの事業を委託しました。
以前から親子を対象とした防災ワークショップなどを行ってきた当団体は、参加者がそれらのプログラムを行いながらも、避難所を想定した状況を体験する中でより深い気づきを得ることができる機会として、この事業にチャレンジしました。
こんなことを実施しました
県西部に大地震が起きたという状況の想定を事前に参加者に知らせた上で、参加者各自が必要と考える物品を揃え、会場(新津協働センター体育館)に集合しまし た。避難生活を想定して体育館で1泊2日を過ごす中で、炊き出しや非常食体験、起震車体験、講話(南区の被害想定について・日頃の備えについて)、防災グッズ作りなどのワークショップ、体験を振り返るワークショップなどを行いました。参加者は終始熱心にプログラムに参加し、真夏の暑い時期にもかかわらず 最後まで途中退出者無く終了できました。基本的な災害時の知識を身につける体験を通し、地域の参加者同士がつながりを強めるきっかけともなったようでし た。
キャンプには市内から19家庭60名(大人24名 子ども37名)の参加者、および16名の見学者がありました。また、運営スタッフとして、 ぴっぴスタッフのほか、行政、社協、災害ボランティアコーディネーター、ボーイスカウトなど20名以上が運営にあたりました。さらに地域の企業による協力もあり、防災試供品の提供や防災用品についての説明などが行われました。参加者のアンケート結果では、ほぼ全員が今回の体験を「本当に地震が来たときに役に立ちそうだ」と答えました。
開催時は静岡新聞社、テレビ静岡、中日新聞社 および 文化通信社による取材を受け、ニュース番組内で特集が組まれるなど多くの報道がありました。
これからに向けて
今回参加した家族は“一段階防災意識が高まった市民”として、今後地域防災でリーダーシップをとる存在となっていける人々です。こうした体験を今後、いかに地域防災につなげていくかが次の課題となります。
また、今回は防災意識の高い家族が多く参加していたとはいえ、低学年の子どもにとっては楽しい非日常的イベントという側面もあり、危機感が十分伝えきれたかどうかという懸念が残りました。参加者を子育て中の親子に限定したことで、子育て世代の避難生活における課題が明確になったので、この経験を、今後の防災事業に活かしていければと考えています。
実施期間
2014年8月16日・17日
事業形態
浜松市委託事業